羽村「さかもと うどん」にて 肉汁うどん(一発で激オススメになりました)

平日の昼、普段なら食べ慣れたラーメンでも行くかーってところですが、ちょっと時間があったのでいい評判を耳にしていた羽村のうどん屋さんに行ってきました。羽村市動物公園(現ヒノトントンZOOでしたっけ)近くです。

ちょっとネットで見た情報を。
2017年10月開店で、店主さんはそれまで都内の一流蕎麦店で修行していたとのこと。
独立を考えていた頃、なんとお子さんが蕎麦アレルギーであることが分かり、蕎麦をきっぱり諦めうどんの道へ。
うどん自体は独学だそうで!すごい経歴ですね。
(↓この辺参考にしました)
https://ometsu.net/sakamoto-2021-09/
https://hamuracity.jp/column/j4soeu000000017a.html

で、ちょっと先に結論から申しあげますけども(そうは言っても、うどんを総じて評論できるほどあちこち食べてないですが)少なくとも「自分の経験上」ではうどんトップ3には間違いなく入るめちゃうまうどんだったので、お近くの方で未食の方はぜひ。そのうちマスコミなりが潜入して爆発してもおかしくないっすよ。

駐車場は店舗敷地内と、向かいの駐車場

駐車場は店舗目の前に数台と、向かいの駐車場が4台あります。
で、店舗がめっちゃおっしゃれ~。少なくともうどん屋には見えないです(いい意味で)

これうどん屋に見えます?おっされー

平日の11時台ということで、この日は外待ち行列はなかったです。

この暖簾を確認して「ああ本当にうどん屋さんだ」とようやく確認できるほどの外観ですわ(褒めてる)

「さかもとうどん」の暖簾

中もおしゃれですねえ。ジャズのBGMと打ちっぱなしの壁、木の天井。
おしゃれ目の喫茶店かいな。

打ちっぱなしの壁と木の天井もおされ

店内に入り手の消毒のやつ(結構量が出て驚いたw)やってから、店員さんから「お一人様ですか」ということでカウンターに案内されます。
メニューは以下な感じです(全ページ写せませんでしたが)

うどんの量

事前に見てきた情報だと肉汁うどんが人気で、確か開店当時は770円ということだったのが今や900円、、、ご時世~
肉汁うどんといえば「武蔵野うどん」のカテゴリーで、冷たい麺にあったかいつけ汁で、極太固めのむちむちうどんというイメージです。

なお、注文時に選べるうどんの量は
小250g  -50円
並350g
大500g  +100円
特大650g +200円
(選べないメニューもあります)

今日は初めてなので最もノーマルに「肉汁うどん、並」(あつもりも可能ですが、ここはノーマルに冷たい麺で)
天ぷらとかも豊富で、次回余裕があれば注文してみようと思います。

この写真の見た目より多く見えます

というわけで10分ちょいほどで到着いたしました肉汁うどん並(900円)
この写真だとなんかちっこく見えますが、この写真の印象よりは全然実際の量は多いです。(器がでかいから全体が小さく見えるんだと思いますが)

さて、一口食べた、どころか最初に唇に触れた瞬間にすごいって分かるくらい麺肌のきめ細いうどん。きちんと適度なコシもあるのに、喉を通るとき何も邪魔せずつるっと通っていく喉越し。いや「つるっと」なんていう言い尽くされた表現では足りない絹のような喉越しとでもいいますか。正直今まで食べてたうどんて、これに比べると「ざらざら」してたんだなとすら思います。
一目惚れならぬ一口惚れ。記憶の彼方10数年以上前に香川で食べたいくつかのうどんはこれより美味しかったのかもしれないけど、まさか東京の西側、ほぼ地元でこんなにうまいうどんが食べられると全く思っていませんでした。

武蔵野うどんの特徴の「耳」

「武蔵野うどん」の特徴であろう「耳」もあります。このうどんの出身地は武蔵野うどんですよ的な。
ただ、武蔵野うどんといわれて想像するあの「強い麺」とぜんぜん違う、とても上品なきめ細やかさと適度なコシは別ジャンルと言っても過言ではなさそうです。(あれはあれでがっつり満足度はありますから、どっちが上下の話じゃないです)

いいとこでピンボケ~

(写真ピンボケでせっかくの麺がボケてるやんけ…)

肉汁のつゆも、語彙力がなくなるくらい「や ば い」です。
直接的な塩っけは薄いんですけど、昆布やら各種節やら肉の脂やら旨味が何百倍(おおげさ)も重なって、なんなら塩っけいらないよ旨味だけで食えるよってほどの深み。とても上品でいて、かといって物足りないことがない。武蔵野うどんの分かりやすい醤油っけは全くゼロ、旨味旨味旨味旨味ちょっと塩みたいな構成。
これはもはやうどんっていうか、日本料理の懐って感じです。店主が蕎麦店で出汁のとり方をきっちり修行したという話があったので、出自が違う感じすらします。
言い方あれですけど、いわゆるうどん屋のソレじゃない。和食のダシを極めた人が、たまたまうどんのつゆ作ってますみたいな感じです。

さすがの八幡屋も使えませんわ

みんな大好き八幡屋礒五郎の七味も、こんなに繊細に積み重ねた旨味ダシにはいつものようには入れられませんわ。
いつもなら「わーい八幡屋だ~」ってアホみたいにかけちゃいますけど、このダシには無理。できない。冒涜。
自分が満足行く辛さまでいこうとすれば絶対壊れるので、今回は本当に「ふぁさっ」っと一振りだけかけて香りの変化程度で。

肉とうどん

つゆには豚肉(バラ)、油揚げ、ネギ、三つ葉が入ってました。他なんかあったかな。おそらくこれ。
武蔵野うどんらしい具材。このダシのしみたお揚げのうまいことよ。

肉と三つ葉とお揚げ

まあダシがうまいと何やってもうまいんだなあとは思います。
この肉とお揚げは多分そんなに特別ではない普通のもの。ただそれがこのダシを吸って一流に生まれ変わるみたいなところあります。

「耳」もうまい

当然同じうどんの「耳」もうまい。食感の変化が楽しいです。
もちもちつるつるの耳。

驚きのレアチャーシュー

店員さんが「チャーシューはお好みのタイミングで入れてください」とおっしゃってたので、はっきりチャーシューです。ロースのレアチャーシューかな。まさかうどん屋でこれ食べるとは思いませんでした。
このチャーシューは、以前はつけ汁に最初から入っていたようですが、今は別皿での提供で、食べる人が好きなタイミングでいれてくださいねに変わっているようでした。
これもうっま。まあ似たようなのはそこらのラーメン屋でもやってますが、うどんと食べるという新しさが惹き付けます。それにしてもこのダシと合うねえ、ラーメンより相性いいんじゃないの。

小皿でついてくる玉子焼き

別の小皿で玉子焼きが可愛くついてきます。やや甘めでしっかり焼きが入っているもの。
軽い箸休めみたいな感じです。

うどん湯

食べてる途中で運ばれきて来た、蕎麦湯ならぬうどん湯。中は少し白濁しててうどんを茹でたお湯のようです。
麺を食べ終わったら、まさに蕎麦湯のようにつゆを割りました。
まあもともとが塩っけ薄い上品仕上げのつゆなので、そのまんま飲めちゃうんですけどね。

まじで大満足のお昼でした

本当に感激するほどうまくて、うどんてここまでやれるんだみたいな一食。「小麦粉と塩と水」だけでなんでここまで違うものが作れるんだろう…しかも独学らしくて…努力の結晶。
ぜひお近くの人には心からおすすめしたいお店です。みんなに来て食べてほしいけど、でもあんま混んでほしくないアレ。特にマスコミには来てほしくないっすね正直。

羽村動物公園近く
さかもとうどん様、今後もよろしくお願いします

絶対また来訪いたしますので、どうかどうか良き地元の店であってくれますように。本当に素晴らしい技だと思いました。